現在の住宅ローンは、様々な種類や方法があります。
実際、銀行に融資を受ける時、借入金額が足りないこともあるかもしれません。
そういう場合は、いったいどうしたら良いのでしょうか?
もしも、夫婦で共働きしているという場合は、夫の年収のみならず、妻の収入を合算するという収入合算という方法があります。
つまり、年収を増やした状態で借入金額の審査を受けることが出来るのです。
今回は、住宅ローンの収入合算に着目してご説明していきたいと思います。
共働きで住宅ローンを借りたい場合に関する記事は、共働き必見!!住宅ローンを夫婦で受ける為の講座
にて紹介しています。
収入合算とは?
まず、収入合算について簡単に説明します。
住宅ローンを申込者の年収と、どなたかの収入を合算することが出来るということですが、どなたでも良いわけではありません。
条件は銀行ごとに決められていますが、一般的な条件として設定されている方々は下記の通りです。
大前提として同居している事が必要になります。
① 親
② 配偶者
③ 子供
という感じになっているようです。
つまり、親子であろうと、同居していない場合は対象外となります。
住宅ローンは、申込者の希望金額に合わせて借りるということは、なかなか難しいのです。
なぜかというと、年収・勤務先・勤続年数等々を審査した上で、銀行が融資金額を決めているからです。
たとえば、素敵な物件を見付けて手に入れたいと思っても、融資金額だけでは金額が足りないことも多々あります。
そういう場合は、せっかくだけど諦めるか、自己資金をなんとか調達するかという方法だけなのでしょうか?
そのような困った事態の場合に、選択肢として挙げられるのが収入合算となります。
銀行は、返済負担比率をみて、融資金額を決定するのですが、収入合算をすればその分年収も上がりますので、融資金額も増やしてもらえるという仕組みになっています。
フラット35で住宅ローンをお考えの方はこちらも参考にしてください!
フラット35については、条件が当てはまった場合は収入合算が可能になります。
① 申込者の直系親族または、配偶者(婚約者、内縁関係にあたる方もOK)
② 申込時の年齢が70歳未満である
③ 申込者と同居している
④ 連帯債務者となることが出来る(1人だけ)
となっています。
収入合算はいったいどのようなメリットがあるのでしょうか?
収入合算をした場合、住宅ローンの借入金額を増やすことが可能だとお伝えしました。
そのため、1人だけの年入では購入できない物件にも手が届くようになります。
年収400万円の壁というものがありますので、年収が390万円の方と、年収410万円の方では、借入金額についても大きな差が出てきます。
このように、あとほんの少しだけ足りないというような場合においても、収入合算という方法を取れば解決出来ますし、それがメリットと言えます。
預貯金が貯まるまで待たなければ!というような状況は避けられるかもしれません。
デメリットについても確認しましょう!
収入合算のメリットは、希望借入金額が足りないときに効果が発揮できますが、逆にいうと、それがデメリットと化すことも残念ながらあります。
収入合算することにより、予想以上の借入金額で住宅ローンを組むことが出来てしまいますので、通常より大きな年収での住宅ローン返済をしていかなければなりません。
ですから、生活環境の変化と共に返済が厳しくなってしまうということも、必ず念頭に置いておいたほうが良いでしょう。
たとえば、収入合算者を奥様に設定したとします。その奥様が出産・子育てのため離職したりすると、借入者本人のみの年収で今までの返済を強いられることとなってしまうのです。
借りる時は良い制度と思える事でも、後々の事をきちんと考えたうえで申込みをされた方が無難だと言えます。
配偶者の全収入を合算できるのでしょうか?
全部合算出来た場合
奥様を収入合算者に設定した場合、奥様の収入を全部合算することは可能なのでしょうか?
それは、融資を受ける銀行によって変わってきますので、よく確認してみた方が良いです。
もし全て合算出来るとすると・・・
借入申込者の年収 → 390万円
奥様の年収 → 100万円
だとすると、390万円+100万円=490万円
となります。
つまり、490万円が基準年収とみなして、住宅ローンの借入可能額を計算してくれるのです。
あくまでも一例ですので、全ての銀行で認められているわけではありませんのでご注意ください。
合算金額に上限がある場合
収入合算者の年収全額を合算出来ない場合は、どのくらいであれば合算できるのでしょうか?
ほとんどの銀行では、収入合算者の年収の半分(1/2)と定められているようです。
先ほどの例と同様に奥様が収入合算者だった場合で比べてみましょう。
借入申込者の年収 → 390万円
奥様の年収の半分 → 50万円(年収100万円の半分)
ですので、440万円が基準年収となります。
銀行によって全額の合算出来る場合と、そうでない場合があります。
きちんと合算が出来るのか?借入希望金額に届くのか?は事前にしっかりと確認しておきましょう。
収入合算者の雇用形態に制限はあるの?
雇用形態の制限とは、収入合算者の働き方が正社員で働いているか、もしくは契約社員や派遣社員、はたまたパートで働いているのかということです。
それによって、収入合算者に出来るかどうかが決まってきます。
問題なく収入合算者として認められるのは、正社員です。契約社員、派遣社員も認めてもらえる銀行が多いようです。
問題なのは、パートで働いている場合となります。
まったく出来ないわけではないのですが、勤続年数や年収額の制限を設けている銀行も多いので確認してみましょう。
銀行によっては、ホームページで収入合算ルールを掲載しているようですので、参考にしてみても良いでしょう。
返済負担率についても勉強しておきましょう。
先ほど、少しだけお伝えした返済負担率について説明させていただきます!
銀行はどのくらいの金額まで融資するかを検討する材料として、基準としているのが返済負担率なのです。
この返済負担率は、年収に対して、元金と利息も足した年間の返済額の割合のことです。
別の呼び方として、総返済負担率や負担比率といわれていることもあります。
銀行はそれぞれが独自の返済負担率というものを決めています。その為、銀行にもよりますが、大体25%~40%以内の間に設定されているようです。
銀行はこの返済負担率を基に、融資金額等の検討と審査を行います。
また返済負担率については、その他のローンについても合わせて計算しますので、融資を受ける方によって変わってきます。
返済負担率の計算方法とは?
{(住宅ローン年間返済額+その他のローン)÷12}÷{(年収+収入合算者の年収)÷12}=返済負担率
となります。
たとえば、年収600万円、住宅ローンの年間返済額150万円、車のローンの返還返済額が50万円、収入合算者がいない場合の返済負担率は・・・
{(150万円+50万円)÷12}÷(600万円÷12)≒33.3%
つまり、33.3%が返済負担率に設定されます。
フラット35の場合は、年収400万円未満か、以上で返済負担率が違います。
年収400万円未満 → 30%
年収400万円以上 → 35%
と決められています。
では、返済負担率はどのくらいを目安としたら良いのでしょうか?
銀行は融資金額を、返済負担率まで融資してくれますが、実際そこまでの融資金額を受けても良いのでしょうか?
やはり、無理なく返済出来る金額の住宅ローンを組んでおいたほうが、生活環境の変化にもついていける可能性が高いと言えるでしょう。
審査が通過したからと言って上限金額まで融資を受けてしまうと、月々の返済が苦しくなってしまうかもしれません。
賃貸住宅の場合も、家賃は自分の給与の30%くらいまでの物件を借りたほうが無難とよく聞かれるかと思います。それと同じなのです。
返済負担率も同じように、30%くらいまでに抑えておくようにしましょう。
ですが、30%にしておけば絶対大丈夫というわけではありません。
融資を受けられる方々それぞれに、個人的な事情や背景がありますので、20%程度にしておいた方が良い方もいらっしゃるかと思います。
まとめ
収入合算は一見すると、とても魅力的な制度に思えて飛びついてしまいそうです。
ですが裏を返すと、借入金額が大きくなればなるほど、返済額の負担も合わせて大きくなってしまうのです。
お金を借りるということは、リスクを同時に背負うことになります。
くれぐれも慎重に住宅ローンをご検討なさることをお勧め致します。
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