信託をわかりやすく!信託の仕組みとメリット・デメリット、信託の設定まで! | 保険の学び場

資産形成

信託をわかりやすく!信託の仕組みとメリット・デメリット、信託の設定まで!

更新日:

信託

 

投資信託、信託銀行・・・「信託」という言葉はよく耳にする言葉だと思いますが、その「信託」とは一体どういった意味なのでしょうか?

リーマンショックの時に投資信託で損をされた方々のニュースが多かったため、「信託」という言葉を聞くと、「投資信託」など利益を出すためのものだ、というふうに想像してしまいがちです。

しかし本来の信託制度とは利益を求める制度ではなく、「財産を管理する制度」のことなのです。

「財産を管理する」という意味での信託には特徴的な仕組みがいくつもあります。中にはこの信託制度を用いることでかかる税金の負担が軽くなったりすることもあるのです。

今回は信託の仕組みとそのメリット・デメリットについて解説します。

 

投資信託に関する記事は他にもご用意しています。良かったら参考になさってください☟

教育資金贈与信託で贈与を非課税に!

投資信託とはそもそも何?クレジットカードでいくらから始められる?

 

 信託とは?信託の仕組みを紹介

信託とは自分の大切な財産を信頼できる人に託して(任せて)自分が決めた方針や目的に沿って信頼できる人に代わりに管理したり運用してもらう事です。

自分の財産を信頼できる人に任せるという仕組みのため、家族などの大切な人のために利用されたり、企業同士や公益・福祉の場面で活用されています。

信託と一言にいっても、先ほど例にとった「投資信託」のような信託もあれば、「財産を管理・保護する」機能などを有する信託があります。

マイコ
自分の財産を「誰のために?」「何の目的で?」と決めて、第三者に託す事が信託なのね。

 

まず、信託を理解する上で覚えておきたい言葉を解説します。

メモ

1.何かを他人に依頼する人のことを「委託者(=いたくしゃ)」と言う
2、何かを依頼される人のことを「受託者(=じゅたくしゃ)」と言う
3、委託者と受託者の間で結ばれた契約によって利益を受ける人のことを「受益者(受益者)」と言う。

(※以後赤色は委託者青色受託者緑色受益者を表します。)

信託は以上の三者によって成り立ちます。

依頼する人と依頼される人、つまり委託者と受託者の間でで結ばれる契約のことを「信託契約」と呼びます。

 

信託契約にはどのようなものか例を挙げて見てみましょう。

シングルマザーのAさんと小学生の息子Bくんがいるとします。AさんBくんを育てていましたが、あるときAさんは難病を患い、病院で長期の入院をしなければならなくなりました。

病状が改善しなければずっと病院に入院していることになり、Bくんの世話ができなくなってしまいます。シングルマザーのAさんにはBくんを面倒見てくれる家族がいませんでした。

そこでAさんは古くからの親友Cさんに今後のBくんの生活費として貯めてきた貯金を預け、Bくんが自立するまでの養育をお願いすることにしました。

ここでCさんが依頼を受けると、信託契約が成立します。

Aさん委託者
Bくん「受益者」
Cさん「受託者」

となります。復習となりますが、Aさんは依頼をしている人なので、「委託者」。依頼を受けたCさんは「受託者」となり、

2人の信託契約によって利益をもたらされるのが、子供のBくんとなるわけです。

信託契約を結んだCさんは、Aさんから信託された貯金を使ってBくんを育てていきます。

 

ところで、このように受託者に利益の発生しない信託契約は「民事信託」と呼ばれます。

民事信託は特定の個人、主に家族や親戚、親しい知人の間で行われます。民事信託は聞きなれない言葉ではありますが、遺言状や成年後見制度ではカバーできない相続対策も多くあり、注目されています。

一方、依頼を受ける受託者が利益を得る信託を「商業信託」と言います。商業信託の場合、信託業法という法律がありそれを遵守しなければならないため縛りが厳しくなっています。

マイコ
信託って難しい言葉だけど、私達の身近な生活にも登場する事なのね

 

信託の例

  • 高齢者や障がい者の財産を子や孫に管理してもらう
  • 空き家となる自宅のメンテナンスや買い手がついた場合の売却を業者にしてもらう
  • これから子供が産まれる息子に「孫の教育費に使う目的」として生前贈与を行う。生きているうちは自分の管理下に置く
  • 長年連れ添った内縁の妻に財産を託す。特定の財産のみ特定の団体に寄付してもらいたい。
  • 自分の死後、自宅を売却して孫に財産を分与したい。一連の手続きを次男に任せたい。
マイコ
信託って様々な場面で活用できるのね。もめ事を減らすためにも必要かもしれないわね

 

そもそもの信託の特徴とは

信託の一番大きな特徴として、「信託は財産を管理するためにある制度」であることが挙げられます。

基本的にこの契約は委託者―受託者間の契約なので、口頭で契約を結ぶことも可能です。

しかし口頭だとトラブルの際にきちんと対応ができなくなってしまうので基本的には書面を作って契約します。

信託の場合、財産を託す際に名義が依頼を受けた受託者に変更されます。

先ほどの例でいうと、AさんCさんと信託契約を結んだとき、Aさん名義の貯金という財産はCさんの名義となります。こうして財産はCさんによって管理・運用されていくことになります。

信託銀行のように大きな責任を負う受託者は他人の財産を預かるため受託者には厳しい義務・責任が課されるという点があります。

委託者としては自分の財産を託すわけですから、受託者に意思にそぐわない勝手な運用をされたりしまっては困ります。そこで受託者には信託法によって多くの義務・責任が課されています。

また、受益者には手厚い保護がなされています。確実に受益者に配当が受け取れるようになっています。

 

信託を用いるメリット

ここまでの説明を聞いて、「わざわざ信託を活用するメリットてあるの?」とお考えになったかもしれません。

特に仲の良い家族間では信託なんて不必要と考えるかもしれません。

しかし、信託を利用することにより、委託者と受益者にはメリットがたくさんあります。

 

〇委託者の場合

・委託者は財産の所有権が受託者に移転するため、たとえ委託者が破産しても信託契約で対象とした財産は影響を受けない。
・委託者が死亡しても財産は受託者名義となっているので、受益者のために運用し続けられる。
・所有権が移る際に行う通常の所有権移転登記を行う場合よりも、信託による所有権移転登記を行う場合のほうがかかる税金が少ない。
・信託による不動産取得税は課されない。
・委託者は受益者を自由に変更できる。(例:Aさんが「Bくんを受益者とするがもしBくんが死んでしまったらCさんを受益者とする」という風に決めることができる。)

 

〇受益者の場合

・受託者が財産管理をしてくれるので、自分から何かする必要がない。
・受益権は権利なので、誰かに譲渡することが可能。

 

以上のようなメリットを委託者・受益者は受けることになります。

マイコ
口頭での約束だとなぁなぁになってしまう場合があるので、信託契約を結んでおくと安心ね。

ところで受託者ですが、家族間のやり取りなどでは受託者にはシステム上受けるメリットというのはほぼありません。

そのため「受託者=受益者」と設定される場合がほとんどです。

しかし、非営利目的の場合であれば報酬の支払いを信託契約に盛り込むことが可能なので、信託契約時に報酬についての取り決めが行われればそれがメリットとなります。

さきほどのシングルマザーのAさんの場合では、養育をしてくれるCさんに毎月3万円などのお礼を設定する事が可能なのです。

また、受託者が委託者から託された財産は自分の財産とは分離されるため、もし自分が借金を返せなくなって差し押さえなどになってもその財産には影響が出ないようになっています。

つまり、CさんがAさんから貯金を預かっても「分別管理」されるようになっています。

 

このように、信託は委託する人・利益を受ける人が安心できるような仕組みになっています。

信託の設定のしかた

信託の設定方法は以下の3通りがあります。

メモ

1.信託契約
2.自己信託
3.遺言による信託

1、信託契約

信託契約はこれまでの解説であったように委託者ー受託者間での契約となります。

この契約の中で、財産をどうすればよいか、なぜ信託するのか、受託者は何をすればいいのか、あるいは受託者に報酬を払うのかといった取り決めをします。

前項でも述べましたが、信託は口頭でも契約締結が可能です。しかし口頭で細かな設定をするといずれトラブルのもととなるので、原則書面にて契約します。

2.自己信託

これは自分で自分を受託者とする形式です。つまり、委託者=受託者になります。

一見何の意味があるのか分からない信託ですが、これは後述の受益者連続信託との組み合わせで真価を発揮します。

また自己信託は適当な受託者がいない場合に使用することで執行免税(自分が破産しても影響を受けない)状態にすることができ、また自分のタイミングで受益者に財産を譲渡できる点で強みとなっています。

 

3.遺言による信託

遺言による信託は自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言のいずれかで作成された遺言の場合のみ機能します。

この遺言による信託の特徴として、「受託者が『受託してあげるよ!』と言わなかったらその人は受託者にならない」という点があります。

この特徴により遺言による信託はトラブルが起こりやすいため、できるのであれば生前に受託者を見つけて信託したほうが良いケースがほとんどです。

 

また、遺言執行者として遺言の内容を実現してもらうことができる「遺言信託」があります。

主に信託銀行が行っている業務で、特徴として「適任の遺言執行者がいない場合に遺言の執行を代行してくれる」というものがあります。

さらに「遺言代用信託」もあります。

委託者が死亡した場合に受益者が受益権を獲得する場合、または委託者が死亡したときに受益者が財産を獲得する場合はこれに当たります

。受益者を委託者が死ぬまで変更できる点が特徴です。これには受託者と信託契約を結ぶ必要があります。

これはどちらかというと1.の信託契約と性質がほぼ同じなので、「遺言による信託」・「遺言信託」と比べて使い勝手の良い印象があります。

マイコ
相続に関してはデリケートな話題だけども、判断力があるうちにしっかり信託銀行で相談した方がいいわね

 

受益者連続信託とは?

受益者連続信託とは、簡単に言うと受益者が死亡した場合、その受益者の受益権がなくなり、別の誰かが新たな受益者となる仕組みのことです。

これが先ほどの自己信託と組み合わさることで大きなメリットをもたらします。

自己信託の「自分のタイミングで受益者へ財産を譲渡」でき、さらにこの受益者連続信託によって「受益者Aが死んだら受益者Bへ受益権を移し、またBが死んだら受益権がCに移す」ということが可能になる。

 

長男、次男、三男の三人の息子がいる会社経営者A社長を例にとります。

A社長がまず自己信託をして株式を信託財産とします。こうすることで、A社長は株式を保持したままなので経営権が自分にある状態で財産を保護することができます。

その後自分の好きなタイミングで選んだ息子に株式を渡すことができます。

さらに、受益者連続信託により最初に受益者と決めた長男が死んでしまったら次男が受益権を受け取る、と決めておくことができます。

 

このように、「後継ぎ」問題に対して非常に有効なのがこの自己信託・受益者連続信託なのです。

ただし、受益者連続信託は信託が行われてから30年立った後に受益権を持った人が死亡してしまうと終了となってしまうことが注意点です。

この受益者連続信託は、信託設定時に「存在している必要はない」ため、まだ産まれていない孫や姪っ子や甥っ子などを受益者にしておく事もできます。

マイコ
資産家や会社経営者の人は知っておきたい制度ね。

まとめ

信託を利用することによって、財産を保護して受益者に確実に受益権を渡すことができます。

また法律により委託した財産が持ち逃げされたり不正に利用されるのを防いでいるため委託者・受益者ともに安心できる仕組みです。

信託を上手に活用して、せっかく仲の良い家族間での争いごとはが起きないようにしたいところですね。

 

投資信託に関する記事をまとめていますので、良かったら参考になさってください☟

投資信託に関する記事はこちらへ

-資産形成

Copyright© 保険の学び場 , 2021 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.