生命保険は、万が一自分の身に何か起きた時に大切な家族を守ってくれる強い味方です。特に働き盛りの30代あたりは、結婚や出産など大きなお金が必要になるかもしれません。
しかし中には「保険料がかさんで困っている」、あるいは「そもそもこの保険内容自分にとって本当に必要なのか?」と思っている方も少なくないでしょう。そこであなたがやるべきことは一つ、保険の見直しです。
保険の見直しを行うことによって、自分にとって過不足のない適切な保険をかけることができ、さらに出費を減らすこともできるのです。
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そもそもあなたには保険が必要なのか?
「必要か不要か」まではまだ判断できないようですね・・・。
まず保険見直しの第一歩にして一番重要なのは、自分は保険で備えたほうがいい人間なのかということです。
保険による備えがあったほうがいい人として「貯蓄が少ない人」が挙げられます。保険を利用した貯蓄をすることができたり、万が一のことが起きた場合には親や家族にお金を残すことができます。
また、フリーランス(個人事業主)の方も保険に加入しておいたほうが安全です。フリーランスは企業保険に入ることができないので、民間保険に入っていない場合、当人の死亡時にもらえる死亡給付金がもらえず入っている場合と比べて大きな差となってしまいます。また病気で入院した場合、高額な医療費に関しては高額療養費制度という国の制度を使用することで金額を抑えられますが、差額ベッド代や食事代などの雑費は保障されません。入院が長引くと、この雑費も無視できないものとなります。
逆に保険による備えが必要ない人もいます。先ほどの例とは逆に、「貯蓄が多い人」がその対象です。また企業に勤めていて、会社の福利厚生が手厚い人はそちらでまかなえるので民間の保険は必要ありません。
このように自分の就いている職種や貯蓄状況などを分析することで、民間の保険を入れるべきかどうかを判断します。
+α 保障と保険料のバランス
保険商品には様々な種類があり、生命保険に限ってもかなりの商品が提示されています。選ぶならやはり保障内容がとても充実している商品を選びたいものですが、保険料が高いとかえって自分の首を絞めてしまうことにもなりかねません。
そこで一つの目安として「保険料は手取り収入の5%前後」を考えると良いでしょう。保険を貯蓄として利用する場合はこの限りではありませんが、貯蓄を自身しつつ保険を利用したい場合にはこの目安は有効です。
見直す時期と見直しのコツ
保険を見直す時期
保険の見直しは、時期を意識することでスムーズかつ適切な状態に保つことができます。「就職」「転職」「結婚」「出産」「退職」「自宅購入」・・・などなど、人生の転機ともいえる様々なイベントがありますが、このような自分の生活スタイルが変わるタイミングが保険見直しに最適な時期といえます。理由はシンプルで、生活スタイルが変わると今までの保険が必要なくなったり、逆に必要になったりするからです。
例えば、あなたが子供が生まれたすぐ後に交通事故で死亡してしまった場合について考えましょう。死亡した場合、国から遺族年金をもらうことができますが、子供が私立の学校へ通ったり習い事などに打ち込んだりすると国の補助だけでは苦しくなる可能性もあります。こうした状況を防ぐために、子供が生まれる前に生命保険に入っていなければ加入を検討したり、また子供の誕生前に入っていた保険よりもさらに保障額の大きい保険に変えるなどの保険の見直しが重要なのです。
保険を見直す時のコツ
保険を見直す際にとても大切なのは、むやみに解約したり乗り換えたりしないということです。
なぜかというと、若い人より高齢の人のほうが死亡するリスクが高いことから、保険は基本的に「若い時の保険料は安く・高齢になるほど保険料は高くなる」というシステムでできているからです。そのため、何も考えずに「こっちのほうが保障内容がいい!」といって今までの保険を切ってしまうと大きな損をしてしまう可能性があります。貯蓄目的で保険を利用している場合も、長期しているほど利率が高くなるので安易な乗り換えは厳禁です。
保険商品のなかには既存の保障内容にプラスしてオプションをつけることで保障内容を拡大できるもの(特約)もあるので、むやみやたらに解約するのではなくどの保険を残し、どの保険を切るかを明確にすることが大切です。
1:今までの契約を切って新しい保険に加入する。
2:保険のオプション分(特約)を部分的に解約する。
3:保険の保障範囲を狭める(減額)。
上記の説明の通り、既存の契約を打ち切って別の保険に新規加入するのは自分にとって不利益な行動になりかねないので、部分解約や減額で対応したほうが良い場合はそちらで対応しましょう。
1:今までの契約を切って新しい保険に加入する。
2:今までの保険はそのままに別の保険にも加入する。
3:今までの保険にオプション(特約)をつける。
4:保険の契約転換をする。
保障範囲を増やす場合、2・3のように既存の保険を残しながらオプションをつけたり別の保険に加入するといった行動がとれますが、かかる保険料が増加する場合が多いのでしっかりとした確認と調整が必要です。
また、4の契約転換についてです。契約転換とは、積立部分や積立配当金を「転換価格(下取り価格)」として新しい契約を結ぶ際の資金に充てることができるという制度です。注意点として、同じ保険会社でしかこの制度を適用できないこと、また下取りはあるものの本質的には「既存の保険を切って新しい保険に加入する」ことと大差ないという点があります。
契約転換すると、その時の利率で再計算されるため、予定利率が変化します。もし保険加入時よりも契約転換しようとしている現在のほうが予定利率が低い場合転換しなかった場合より損をすることになってしまいます。また、既存の保険から転換する際に保障内容が変化することがあり、この変更点を理解していないと契約転換後にトラブルのもととなります。
契約転換は先の説明で述べた「予定利率の変化」があり、多くの場合は予定利率が最初に保険に加入した時よりも下がってしまうので契約転換についてはよく吟味することが大切です。
1:今までの保険を切る。
2:払済保険に変更する。
3:延長保険に変更する。
2と3についての補足です。まず2の払済保険ですが、これは「現時点の解約返戻金を使って当初の契約の保険期間と同じ長さを保障しますよ!ただし保障内容は狭まりますよ!」というシステムに変更するということです。わかりやすく例に挙げると、払済保険への変更時点でもらえる解約返戻金が300万円で、当初の契約ではあと20年分の保障期間が残っていたとします。この場合、この解約返戻金300万円で残り20年間を保障する契約に変更することになります。ただ、当初の保障内容よりも変更後の保障内容のほうが狭まることになります。
次に3の延長保険ですが、これは「現時点の解約返戻金を使って当初の契約と同じ保障内容で保障しますよ!そのかわり保障期間は当初より短くなりますよ!」というシステムに変更するものです。先の例をつかうと、解約返戻金300万円を使って保障内容はそのままで継続できるようになります。しかしその代わりに保障期間は当初の契約よりも短くなります。
+α 保険の見直しは「早め、早め」の意識
また、保険が正式に機能し始めるのは保険金の入金が完了してからなので、ある程度のタイムラグがあります。例えば既存の契約を切り新しい保険を契約する場合、先に既存の契約を切ってしまうと新規の契約が開始するまでわずかですが無保険期間が生まれることになります。万が一この間に事故などにあった場合はもちろん保障されません。
ですので、この場合にも「早め」の意識が不可欠です。先に新しい保険の契約を成立させてから既存の契約を切るようにし、新しい保険への入金を早めに行う必要があるのです。
まとめ
保険の見直しは、自分の人生の中でのビッグイベントに合わせて行うことが極意であり必要不可欠です。また、自分の現在のライフステージにおいて何が必要な保険なのかを取捨選択し、保険を切った時、乗り換えた時など保険見直し時に出る損益を自分で調べることが重要です。
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