
退職金などのまとまった資産をいざ手にした時、「老後の為にもっと増やしたいな」と思う方も多くいらっしゃると思います。
資金を増やす手段としては、「投資信託」や「株式投資」「不動産投資」など様々な方法があります。
しかし上記に挙げた投資手段はどれもリスクがあり、安全で確実にお金を増やせる手段として、「外貨建て保険」のような貯蓄型保険は人気があるようですね。
ですが、外貨建て保険はとても特殊な商品で扱いが難しく、リスクが少ないというのは全くの誤解です。
ここ数年で外貨建て保険の苦情件数が6倍に上がっているというニュースは記憶に新しいかと思いますが、その原因として「販売員が元本割れの可能師を十分説明しなかった」という事が原因として挙げられています。

でもその可能性あるってのを、契約者が十分理解してなかったって事かー。

悪い印象を持たれてしまった外貨建て保険ですが、正しく内容を理解して契約すればもちろん向いている方もいます。
今回は、外貨建て保険とは何かについて解説し、デメリット・メリット、さらにはオススメの保険会社もご紹介したいと思います。
外貨建て保険とは?
外貨建て保険とは、払い込んだ保険料が外貨で資産運用される商品です。
もちろん、保険金や解約返戻金などを受け取る際も外貨で受け取る事が可能になっています。


外貨建て保険の仕組み
契約者が円か外貨で保険料を支払い、保険会社はその投資された元本を外貨で資産運用に回します。
資産運用の方法は、契約した外貨が米ドルであればアメリカの公社債などに投資します。
※公社債は、株式に比べてリスクが少ないと言われており、民間企業等へ「お金を貸す」という名目で投資するので、利子付きで戻ってくるというメリットがあります。
外貨建て保険の種類は?
外貨建て保険と一口に言っても、いくつか種類があります。
満期保険金がある養老保険 ⇒ 満期を30年など設定出来、満期を迎えた時点で満期保険金を受け取れるタイプ
個人年金保険 ⇒ 満期保険金を分割で受け取る事が可能なタイプ
終身保険 ⇒ 中途解約することによって返戻金を受け取る事が可能なタイプ
上記を見ての通り、掛け捨てといわれるような「定期保険」というのは原則販売されていません。
どのタイプにしても、仕組み自体は普通の円建て保険と変わりません。

外貨建て保険の特徴が今のところ不明ね~どのあたりにリスクが潜んでいるのかしら?
仕組みが変わらないという点で大きな落とし穴にはまってしまう人がいるのかもしれませんが、外貨建て保険の最大の特徴は「為替レート」にあります。
この状態で契約するのが一番危ないので、続いては外貨建て保険のリスクとデメリットについて解説します。
外貨建て保険のリスクとデメリットは?

保険の加入時にも言える事ですが、基本的に資産運用は「外貨のレートベース」で行われます。
その為、「円高」の時に外貨建て保険に加入し、保険金を貰う際には「円安」になっていれば多くの資産を手に入れることが可能ですよね。

まさにその通りで、保険会社によって契約内容は違うものの、満期が30年と決まっていれば、満期のタイミングでもし「円高」になっていたら、損する可能性が出てきます。
この時点で、元本割れする可能性が出てきますよね。
ここの説明をしっかりと受けていないと、衝撃的ですよね、元本割れすると想定せずに契約してしまうのですから。
リスクはこれだけではありません。
手数料が高額になる可能性がある
外貨建て保険にかかる手数料の一覧を紹介します。
・初期手数料が平均7%かかる
・受け取り時の外貨を日本円に両替すると、両替手数料がかかる
・資産運用期間中手数料が差し引かれている
初期手数料が7%ほど、というと1000万円を投資に回したら最初の時点で約100万円差し引かれてしまいます。
この差し引かれた状態で資産運用が開始されるので、もちろん長期間契約していないとすでに元本割れしています。
また、運用している最中は資産運用分の手数料が差し引かれ続けているので、その分もマイナスになります。
そこへ、追い打ちをかけるかのように、受け取り時は米ドルなので、日本円として使用する場合は両替手数料も発生してしまいます。
保険会社によって規定がバラバラしているのも難しい所ではあるのですが、例えば30年後の満期時に「円高」になっていた場合、返戻せずに円安になるまで据え置いておけるものも中にはあります。
ですが、どのタイミングで円安になるかわからないので、「いつになったら解約できるのかわからない」といったデメリットもあるのです。

外貨建て保険のメリットは?
しっかりとリスクとデメリットを理解したところで、次はメリットについてお話しします。
一番のメリットは、外貨建て保険は保険料が非常に安いという点が挙げられます。

さらには、円の利率と比べて、外貨の利率の方が高い傾向にあり、高金利で運用できるという点が魅力的でもあります。
日本の利率は約0.1%に対してアメリカは約3%と、2%以上も差がある事で知られています。

最大のメリットは何と言っても為替レートの変動
先程は、デメリットとしての部分として紹介していましたが、こちらに関しては最大のメリットでもあります。
どのくらいの利益が出るのか、具体的な例を見ていきましょう。
契約時
一時払い保険料
50,000ドル
1ドル=100円の時
積立て総額
5,000,000円
↓
< 10年後 >
↓
解約返戻金
70,000ドル
1ドル=100円のなら
7,000,000円
1ドル=120円なら
8,400,000円

この利回りの良さはとても魅力的ですよね。
この商品も魅力的な部分だけでなく、リスクやデメリットの部分も加味して契約するようにしましょうね。
まとめ
◆ 外貨建て保険は外貨で資産運用する保険
◆ デメリットは外貨為替レートの変動、手数料が高い
◆ メリットは外貨為替レートの変動、保険料が安く、外貨の利率が高い
外貨建て保険の記事はこちら、外貨建て保険は危険?なぜ苦情殺到?リスクやデメリットを詳しく解説もおすすめですよ。
外貨建て保険に向いているかどうかはファイナンシャルプランナーに頼るのも良いと思います。
ファイナンシャルプランナーを受けた方が良い理由、無料体験について書いたこちらの記事、なぜ保険加入前にFPに相談すべきなのか?がおすすめです。
最後までお読みいただきありがとうございました。