「生命保険」と聞いて、「これこれこういうもの!」とはっきり頭に思い描いたり、あるいは説明したりできますか?
これから社会人になる方や働き盛りの方にとって生命保険は非常に大切なものですよね。
この生命保険について、若いうちから詳しく知っているのと知っていないのとではある大きな差が生まれます。
その差とは、自分に最適な保険をかけ続けていく力です。
保険に対する知識がないままに、流されるまま保険に加入してしまうと、自分の収入や職種に合わない保険をかけてしまう恐れがあります。すると、無駄な保険料がかかったり必要ないところまで保障してしまったり、様々な問題が発生します。
20代のうちに生命保険の知識をつけることで、無駄のない保障を受けることができるのです。
生命保険に関する記事は他にもご用意しています。良かったら参考になさってください☟
変額保険とは?生命保険と何が違うの!?メリット・デメリットは?
生命保険は誰でも入れるわけではない?生命保険の加入条件は病気と職業!
生命保険にはどんな種類があるの?
生命保険を大きく分けると・・・
生命保険を大きく分けると、「一定期間保障される」タイプと「一生保障される」タイプに分けることができます。
これらはそれぞれ、「定期型」「終身型」と呼ばれます。
この2つのタイプの中に、ユニークな機能を持った様々な商品があります。
また、生命保険で最も基礎となるシステムはもちろん「万が一に備える」というものです。しかし生命保険にはこの「万が一に備える」機能のほかにもう一つ、「万が一に備えつつお金も貯める」機能に比重を置いたものがあります。
このように保険には独特の機能をもつ商品が多々あります。これらを選ぶ際には、職種やライフステージ、収入や家族構成などを考慮に入れて選択することが必要になります。
定期型
定期保険
定期保険は、「期間を設定して、その期間中に死亡した場合に死亡給付金を受け取れる」という仕組みです。
この定期型の大きな特徴として、支払った保険料が返ってこないという点が挙げられます。この特徴から「掛け捨て型」とも言われています。
その代わりとして、保険料がとても安い生命保険となっています。
商品によって多少異なりますが、大体月々1000円前後といった価格です。20代でこの定期型の保険に加入した場合、月々1000円程度の保険料で1000万円の死亡保障がつくものもあります。
定期型のウリとなるのはこのコスパの良さで、高額な保障を安い保険料で受けられることが大きなメリットとなっています。
ただ一つ注意するべき点として、定期保険は加入する年齢が高くなればなるほど月々の保険料が高くなっていくように作られています。定期保険の商品の中には自動更新されるものもあるので、しっかり保険の見直しをしないと勝手に更新されて月々の保険料が高くなってしまうことになります。
この保険の見直しについてはこちらを見てみてください!
収入保障保険
定期型の保険の中には、上記の定期保険のほかに「収入保障保険」という保険があります。これは言ってしまえば定期保険の一種なのです。基本的な特徴は定期保険と同じですが、死亡時の給付金の支払われ方に大きな違いがあります。
定期保険の場合、万が一の際に支払われる死亡給付金は一括で支払われます。しかしこの収入保障保険は、死亡給付金を一年ごと(または月ごと)に分割して支払うというシステムになっています。
この支払われ方のメリットは、お金の管理がしやすいということです。
毎月一定額が入ってくるので、受け取る側からすれば給料をもらっている感覚でとらえることができます。そのため、その給付金をどのように使うか、または使ったかがわかりやすいのです。
もう一つこの保険のメリットとして、加入したタイミングから満期に近づくにつれて、保障額が自動的に減っていく仕組みになっています。
定期型の保険が適しているのはどんな人か
ここで定期型の保険の特徴を今一度まとめておくと、「安い保険料で高い保障」そして「支払った保険料は返ってこない」ということです。
また期間を設定するので、「必要な時だけ」保障を受けることが可能です。
なので、子供が生まれる、または子供が生まれた方や、シングルマザーの方、あるいは収入は少ないが死亡保障をかけておきたい方などが適しています。
特に子供が生まれた時に定期型の保険をかける場合は、収入保障保険がとても有用です。収入保障保険の2つめのメリットである「保障額が自動的に減っていく」という仕組みが非常にマッチしているのです。
子供が大きくなるにつれて子供は自立に近づいていくので、必要な保障額は減っていきます。それがシステム上自動的に減っていくので、無駄のない保険をかけておくことが可能です。
終身型
終身保険
終身保険はまさにその名の通り、死ぬまでずっと保障され続ける保険です。
人は必ず死ぬので、必ず遺族は死亡給付金を受け取ることができます。
定期保険と大きく異なる点として、「貯蓄能力がある」ということ、「保険料が高い」ということがが挙げられます。
この「貯蓄」ですが、具体的には「解約返戻金」という形で戻ってきます。
解約返戻金とは、加入している保険を解約した際に払い戻されるお金のことです。この返戻金は基本的に、満期まで保険料を支払わないと支払った保険料以上はのお金は返ってこない仕組みになっています。「元本割れ」してしまうということですね。
終身保険を貯蓄として使う場合は、満期まで保険料を支払わないと損をしてしまうことになるので、注意が必要です。
終身型の保険が適しているのはどんな人か
終身型の保険は、月々の保険料が高く設定されていること、また保険料の支払いが終了する前に解約すると元本割れしてしまうことから、定期保険のように「必要な時だけかける」といった利用はほぼできません。一応特約(オプション)をつけて一時的に他の保障をつけたりすることもできますが、その場合定期保険と併用したほうが効率的なケースが多々あります。
そのため、終身保険を利用するのに適しているのは、貯蓄が苦手な20代の方、または死後の整理のためにお金を残したい方、ということになります。
お金を貯めることを重視した保険がある
低解約返戻金型保険
この保険は、先ほどの終身保険の項目であった「返戻金」のシステムが少し変化したものです。
この低解約返戻金型の保険には定期型のものと、終身型のものがあります。
この低解約返戻金型2タイプに共通するメリットとして、「貯蓄型の保険であるが保険料を低く抑えている」ことが挙げられます。
まず、低解約返戻金型の定期保険から見ていきます。
低解約返戻金型定期保険
この低解約返戻金型の定期保険ですが、これは保険料が掛け捨てではありません。「定期保険ってお金返ってこないはずでは?」と考える方もいらっしゃるでしょう。
この低解約返戻金型の定期保険は「長期の定期保険」の場合のみ、このように掛け捨てでない定期保険が登場します。
ただ、貯蓄性が追加されているので月々の保険料は通常の定期保険と比べると高くなります。
システム自体は前出の終身保険と似ています。満期まで保険料を支払うと、その後解約返戻金が支払った料金よりも多くなるためアドバンテージが得られるようになっています。
ただ、低解約返戻金型定期保険の注意点として保険料払い込みが終わる前に解約すると大幅に元本割れするというポイントがあります。
終身保険を途中で解約した際の元本割れとは比較にならないほど大きく元本割れするので、払い込み前に解約することが非常に難しい保険となっています。
また低解約返戻金型定期保険固有の注意点もあり、保険料を払い込んだ後一定期間すると返戻金の額が急激に減少します。
これは次の低解約返戻金型終身保険のところで説明します。
低解約返戻金型終身保険
低解約返戻金型終身保険は定期保険版とシステムはほぼ同じで、途中解約すると大損するようになっています。
大きく違う点は、こちらは保険料を払い込んだ後は返戻金の額は上がり続けるだけという点です。
先ほどの低解約返戻金型定期保険と比べると、定期保険のほうは一番返戻金が高くなったところを見極めて解約しないと損をしてしまいますが、終身のほうはいつ解約してもOKです。
これらの低解約返戻金型の保険は、通常の終身保険と比べて保険料を抑えつつ貯蓄ができる点で有用です。途中解約が非常にしにくいので保険を見直しづらい点がデメリットです。
変額保険
これは今までご紹介してきた保険とは大きく異なります。
変額保険については詳しくまとめた記事がありますので、こちらもご参照ください。
一言で特徴を表すと、攻める貯蓄です。
この保険のシステムは、「払い込まれた保険料を国内外の株式や債券に投資し、その運用によって返戻金の額が変動する」というものです。
変額保険はいつ解約してもいい、というところも大きなメリットです。景気が良く運用がうまくいっているときに解約して利益を得ることができます。
つまり景気が良ければ返戻金が多くもらえますが、逆に景気が悪いと返戻金が少なくなる、またはなくなってしまう可能性もあるというハイリスク・ハイリターンな代物です。
変額保険にも定期型、終身型があります。
終身型は解約するまでずっと保障は続くので、自分解約したいタイミングで解約し、利益を得ることができます。定期型は満期が来ると強制的にそのタイミングでの運用益が戻ってくるので、自分の好きなタイミングで解約できないデメリットがあります。
外貨建て保険
外貨建て保険も変額保険同様、攻める貯蓄をする保険です。
終身保険をはじめとする各種保険に外貨建てバージョンが存在していますが、この保険のシステムは保険料を米ドルや豪ドルで支払うことが他の保険と異なる部分です。
外貨で保険金額や保険料は決まっていますが、外貨なので円相場に影響を受けます。保険加入時より受け取り時のほうが円安になっていると、額面以上のお金が手に入ることになります。ですが当然、円高になれば損をします。
保険料も、円安であれば安く済みますが円高だと高くなります。
この保険もハイリスク・ハイリターンなので積極的に運用したい人向けの商品となっています。
まとめ
生命保険には定期保険、終身保険をベースに返戻金を貯蓄代わりに使うもの、積極的に運用していくものなど様々な派生タイプがあります。
20代のうちにこれらの保険の特徴やそのメリット・デメリットを理解しておくことで、将来結婚したとき、子供ができたとき、または資産運用したいとき、お金を貯めたいときなど人生の大きなポイントで適切な保険に加入することができます。
生命保険に関する記事をまとめていますので、よかったら参考になさってください☟